Travel to Arizona 22.

『ゴルフショップオカムラのピンUSA本社取材旅行記 その22』

【これまでの建物とはちょっと違う、洗練された雰囲気の本社ビル!】

ガツッとピザで昼食を終えた一行が次に向かったのがピンの本社ビル。

ご覧の通り「KARSTEN」の文字がよく映えるアメリカらしい大きな建物です。

本社ビルの入口を背にしてパチリ。

今回アリゾナに行ってみて思ったんですが、
この地域ってなんとなく西部劇な雰囲気があるんですかね?
建物のカラーリングや作りからそんな雰囲気を感じます。
メキシコが近いのでその影響もあるのかもしれませんね。

もちろん定番の写真もパチリ。
いや〜楽しかったですね。
写真を見ると昨日のことのように思い出してしまいます(笑)。

ちなみに我々だけがこのテンションだったというわけではなく、
皆さん写真を撮りまくりでした。どうやら人気撮影スポットのようです(笑)。




【見どころが多すぎてなかなか進めない状況に】

さて、本社ビルに入ってすぐの場所に展示されていたのがこの機械。
皆さん、なんだかわかりますか…?

実はこれ、カーステンさんが生まれて初めて借金をして購入した、
パターを削りだすためのミリングマシーンなんです。




ピンの歴史はまさにこの機械から始まったというわけですね。

カーステンさんは当時銀行とかなり揉めたため借金するのが嫌になったらしく※1
この機械の購入以降、一切銀行にお金を借りていません。
つまり、完全無借金経営をず〜〜〜〜っと貫いているわけですね。

まさに堅実。初期投資したのはこの機械のみというわけです。
にもかかわらず未だに大きな利益を生み出し続けているわけですから、
やはりカーステンさんは経営者として非凡だったのだと思います。


さて、続いて本社ビルの中を覗いていきましょう。

これは階段の踊り場に飾られていたソルハイムカップのタペストリー。
このタペストリを皮切りに、ピンファンの方ならどれ一つ
見逃せないような情報が続々出てきますよ〜!

まずこのビルですが「アンサービル(Anser Building)」と名付けられています。
ピンの象徴である「アンサー」を名前に冠しているわけですね。
(フロアマップはセキュリティの関係上モザイクにしています)

そして廊下にはカーステンさんとピンに関するパネルが沢山展示されていました。
ちなみにこれは1950年代、カーステンさんがアトラスミサイル
(アメリカ初の大陸間弾道ミサイル)開発に携わっていた時のことだそうです。

カーステンさんがGE在籍時に開発した「ラビットイヤー」タイプのテレビアンテナ。
「見たことある!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このアンテナを開発した約5年後に記念すべき「1-A」が誕生します。

カーステンさんが住んでいた街の名前で最も有名でない(笑)であろう、
ニューヨーク州イサカのことも取り上げられています。
カーステンさんはこの頃ゴルフを覚えたらしいのですが、
パッティングには特にフラストレーションを溜めていたようです。

そのフラストレーションが「1-A」そして「アンサー」を生むわけですが…、
そう考えてみると、イサカというのはカーステンさんにとって
転機の地だったのかもしれませんね。

知る人ぞ知るハイパーレアアイテム「トレイナー」のパネルです。
穴の開いた部分に錘を入れることで
ヒール・トゥ・バランスの良さを体感できるようになっています。
また後方の針金部分にインクを付けて紙の上でパッティングすると、
擬似的にストロークの軌跡を知ることができます。

まさにコレクター垂涎の品ですね。
管理人もこれの実物はいまだ見たことがありません。

パーティションで区切られた「いかにも」なレイアウトのオフィス。

これまで工場やらフィッティングスタジオやらを見てきたので…

整然としたオフィスを見るとちょっと違和感があります(笑)。
とても静かで、皆さんデスクワークに集中していました。


続いて現ピン社長、ダグ・ホーケン氏の執務室に移動。
のはずなんですが、皆さん展示物で足止めくらってますね(笑)。
はてさて、どんな記念品が飾られているのでしょうか…?
ちょっと棚を拝見してみましょう。


左からババさんのピンクドライバー、ルイ・ウェストヘーゼンのS55(?)、
同じくウェストヘーゼンのウェッジ類、カブレラのiシリーズ ハーフクレイジーB、
カブレラのラプチャードライバーでしょうか。

ウェブ・シンプソンは26歳で全米オープンを制していますが、
実はこの時ピンのG5i クレイジーBを使っていたんですよね。

左から、特徴的なホーゼルのTiSIドライバー(?)、ブロンズのパル、
G5i クレイジーB、アンサーパター、ノームパターと続きます。
う〜ん、意外と新旧ごちゃ混ぜです。
TiSIとパルはカルカベッキアが使っていたもののようです。

ジュニアソルハイムカップ関連の記念品。
この大会の存在自体、写真を見て初めて知りました(^_^;)

こちらはソルハイムカップの参加プロによる寄せ書きでしょうか。

カブレラのサインが入ったマスターズの肖像画。
う〜ん、これも貴重な品です。

そしてなぜか2000年の日産オープンを制したカーク・トリプレットのサインが。
日本人が来るからということでサービスしてくれたのかな?

それにしても、これだけお宝だらけだとつい足を止めてしまうのは仕方ない気がします(^_^;)




【現ピン社長ダグ・ホーケン氏の執務室へ】
色々な展示物・記念品に目移りしつつも、
ようやく現ピン社長ダグ・ホーケン氏の執務室へ到着。

立派な執務室なのは勿論なんですが、
デスク正面の壁にはピンに対する愛を感じる切抜きや写真が一杯!

50周年記念の「1-A」を中心にした記念写真や…
(一番左の人物がダグ社長です)

こんなお茶目な記念写真も。
何がお茶目なのかというと…

実はこれ、1959年にカーステンさんが初めてパターを作った時の記念写真なんです。
その当時と同じ場所で…

50周年記念の「1-A」を持って、アランさん(カーステンさんの長男)と、
現会長のジョンさんが一緒に記念写真を撮影したというわけです。

50年以上経っているというのに、外観が殆ど当時のままですね!
さすがに所有者は変わっていたので、お願いして撮影させてもらったそう。

これは戦争でハンディキャップを負ってしまった方のために、
ピンが特注で専用ゴルフクラブを作ったことに対する表彰とのこと。

あまり知られていませんが、ピンではこういった活動を積極的に行っており、
たまにFacebookなどでもその様子を紹介したりしています。

傑作だったのがこれ!皆さん何だと思います?

実はこれ、ピンゴルフジャパンが初めて黒字化に成功し、
アメリカに初送金した時のチェックだそうです(笑)。

ダグ社長は何度も「Very Important to me!」と言っていましたね。
自分にとっては凄い重要なことなんだ!という感じでしょうか(笑)。

他にも金型の製作を担当している、
まさにピンの中枢に当たる技術部門との記念写真などもあり、
1枚1枚の写真をとても感慨深そうに説明してくれましたよ。


そしてこれは3Dプリンターで成型された噛み合わせ歯車。
勿論きちんと動きます。

日本では発表されませんでしたが、アメリカのゴルフショーでは
ピンの開発した3Dプリンターパターが発表され、かなりの注目を集めました。
(詳しくはこちらのリンク先の動画をどうぞ)

我々がアメリカに行った1月の時点ではそのような情報は全く流されておらず、
当時これを見せられた我々も「何で歯車?」という感じだったんですが…

今思うと、ピンの最新技術の一端がこの歯車に隠されていたわけですね。
3Dプリンターパターは試作品なので販売はされていませんが、
動画で見た感じだとなかなか前衛的なデザインで心惹かれるものがありました。

一生懸命歯車のことを参加者の皆さんに説明しているダグ社長ですが、
聞いている皆さんの頭の中は「??」だったと思います(笑)。

ダグ社長は自分がアメリカという国のトップ経営者に抱くイメージそのままでしたね。
自社とその歴史を愛しつつも、変化を恐れない姿勢を実に頼もしく感じました。

そんなダグ社長に見送られてピン本社ビルを後にし、
次に向かうのはフィッティングラボ!
ドライバーのシャフトに付けて行うフィッティングツールがあるそうで…?




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