Travel to Arizona 23.

『ゴルフショップオカムラのピンUSA本社取材旅行記 その23』

【ドライバーフィッティングを大幅短縮!n'Flightモーションって?】

「Anser Building」を出て、次に向かうのは本社のフィッティングラボ。

こちら(↑)は屋外のレンジですが…
右側に1階建ての建物があるのがわかりますか?
実はこれ、屋内から外に向かって打つことのできる特殊なレンジなんです。
拡大すると…

こんな感じ。ガレージのように見える部分が開くようになっています。
ピンの公式Youtube動画にもこのレンジが登場していますのでご覧下さい。



外と繋がった部屋というのはアメリカらしくて面白いですよね。

もちろんこのラボは遊びのために作られたわけではなく、
弾道測定器とコンピューターを接続してデータを取るためのものです。
当然通常のフィッティングで使われる場所ではなく、
より詳細なデータを取りたい時やプロをフィッティングする際に使用されるそうです。

ちなみに今回我々がこの部屋に案内された理由は…

という、ピンの最新フィッティングギアの説明を受けるため。

部屋の中には「n'Flight Motion」で取得したデータを表示する壁掛けモニターとデスク、
4台のフィッティングカートが鎮座しています。

そして左に見えるのは外のレンジに繋がるガレージ。
はるばる日本からピンの本社にフィッティングしに来たとしても、
普通は絶対に入ることのない場所です。ドキドキしますね。



【n'Flight Motionの設定方法】
「n'Flight Motion」はドライバーのシャフトに小さなボックスを取り付け、
シャフトの挙動を読み取ることで最適なスペックを判断するシステムです。

スタッフの方が右手に持っているのがシャフトに付けるボックス。
これを…

このようにドライバーのシャフトに取り付けます。
この状態でまずは、

(n'Flight Motionをインストールした)スマートフォンをフェースに乗せます。

そして画面に表示されるマーカーを見ながら…

水平をとります。マーカーの色が赤から緑に変わると水平とのことです。

そのまま腰を回転させ、キャリブレーション(調整)を行います。
スマートフォンとクラブフェースはしっかり押さえて、
滑らないように注意してくださいと説明していましたね。

きちんと水平が取れたら設定完了。
この時、必要に応じて現在使用中のクラブスペックを入力します。

続いてはレンジで実際に球を打ってのフィッティングです。



【実際にレンジでフィッティング!】
スタッフの方がボタンを押すと、
左のガレージがガラガラガラ〜と音を立てて開き始めます。
わかっていてもワクワクしてしまう光景です。
さすがアメリカ、魅せ方が上手いですね。

暗い室内なので最初は外の明るさに目が慣れないですが…

徐々に外のレンジの様子が見えてきます。
右奥の方には試打ブースのパーティションが見えていますね。

この辺まで見えてくると皆さんざわついてます(笑)。

遮るものの無いアリゾナの広い空に、ピンのフィッティングパーティション。
アメリカまで来て良かったな〜と実感したひと時でした。

さて、それでは実際に「n'Flight Motion」を使ってフィッティングです。
今回のツアー参加者に球を打ってもらいたいとのことで…

こちらの若者に白羽の矢が。
一生に一回も無いであろう貴重なチャンス!楽しんでほしいものです。

ピンスタッフの方から「n'Flight Motion」の簡単な説明を受け、
現在使用しているドライバーのスペックを入力。
同スペックのドライバーに測定ボックスを取り付け…

いざ、試し打ちです!




う〜ん、ナイスショット!綺麗なスイングですね。

ボールを打つ度に壁のモニターには数字が表示されます。
今回は壁掛けモニターで表示していますが、
実際のフィッティングの際はiPhoneの画面に表示されるとのことです。

3発打った直後に画面が切り替わりスイング軌道を示す画面が表示されました。
ヘッドスピードや切り返しのスムーズさ、
そしてインパクト時の手の位置などが表示されます。
結構ヌルヌルアニメーションするのも面白いですね。

また見る方向を変えることもできるらしく、
視点違いで3パターンのスイング軌道も確認可能。

説明を受けながら、これは実に便利だなと感じました。
少なくとも我々がお客様のスイングを口で説明するより遥かに直感的です。

そしてこの試打結果を元に最適なスペックを表示。
今回はG30 SF Tecドライバー10度、シャフトはTFC 419D Sでした。
(TFC 419Dはアメリカの標準シャフトです)

ちなみに「n'Flight Motion」には日本のオプションシャフトも追加されており、
シャフトデータベースは随時アップデートされるとのこと。

この時スタッフの方が「オプションシャフト」という日本式の呼び方ではなく、
「アフターマーケットシャフト」と話していたのが印象的でした。
なるほど、アメリカだとそういった呼び方をするんですね。

またデータはシャフトメーカーから提供された数字を入力するのではなく、
実際にピンのアメリカ本社でシャフトの試打テストを行い、
その結果得られた数値をデータベースに登録するそう
です※1

うーむ、この辺の妥協を許さない姿勢はさすがピンと言わざるを得ません。
ちなみにエヌフライトモーションの導入で、ドライバーフィッティングは5分くらいで終わるようになるだろうとのことです。
フィッターとしては嬉しい反面、ありがたみも薄れるような…(^_^;)
ただ、こういった合理性を追求する姿勢は実にアメリカらしいと思います。

もちろん「n'Flight Motion」の測定結果は、
現在稼動している「n'Flight」にも登録することが可能。

なので、ピンを意欲的に扱っていて「n'Flight」も導入しているお店であれば、
新商品が出るたびに以前の測定結果と比べてどうか、
というところまで調査して提案することが可能になる
わけです。
これはまさに夢のフィッティングツールと言えます。

また当然と言えば当然ですが、「n'Flight Motion」の測定結果を元に、
フルセットのスペックを提案することもできるようになっています。

それにしても「n'Flight Motion」…

実物はこんなに小さいアイテムなんですよ。

きちんと専用のケースが作られているのが可愛いんですが、
そのケース自体もまた小さくて、楽々ポケットに入ってしまいます。

にも関わらず、これだけ高機能なんですから感心しますね。
実際のフィッティング現場ではまだ導入されていないようですが、
導入されたらフィッティングにかかる時間も大幅に短縮されることでしょう。

機械的に判断できるところは機械に任せて、
我々はもっと本質的な部分の相談内容に耳を傾けることができれば、
より充実したフィッティング体験を提供できるのではないかと思いました。




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